朝涼

2022年4月19日

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 隣を歩く片桐は、頭上に音符を乗せていて判りやすく機嫌が良い。長谷川と共に仕事が出来ることを純粋に喜んでいることに少々罪悪感を覚える。じゃんけんで偶然勝っただけとは言いにくい。きっと歴代こうして隠されてきたであろうSA選抜の仕方。案外上は適当だということがこの歳になって長谷川も気付いてきた。
「経験者として言うと、本気で大変だからな……」
「長谷川さんと一緒ならいくらでも大変でいいですよ」
 目を細めて笑う片桐の、夜中であっても変わらない輝きが眩しい。実際始まったらそんなこと言えなくなるだろうが、こればかりは体験しないと判らないことなので言及せずに流す。数週間後地獄を見るが、頑張ってもらおう。
 終電間近であってもこの街はなかなか眠らない。
 人通りがゼロではない通りを二人で歩きながら目指すは片桐の部屋だ。
 あまり酷くなかったら掃除は明日にしようと考えてしまうのは、すでに癖だ。忙しいほどに部屋は荒れるが、片桐の場合その比ではない。というかどう生活したらこうなるのか、長谷川にはさっぱりだ。
 本日は、と部屋の中に入ると、相変わらず物は溢れているがゴミが少ない。いつもはコンビニ飯の空きパックが散乱しているというのに。
「あんまり食べてないのか?」
「え? あー……なるほど、ゴミの量で把握されんのか」
 ワイパーでざっと床を拭きながらきくと、コンタクトを取って眼鏡姿になった片桐が、髪の毛を崩しながらリビングに入ってきた。その姿に問えば、そんな独り言。
「ここ数週間会社に泊まること多かったってのもありますけど、あんま食う気しなくて帰ってきてすぐ寝てたんですよ」
「無理させてる立場から言うなって台詞だけど、無理するなよ」
 本当にもう少し残業を少なくしないといけない。倒れたら元も子もないのだから。
 せめて新人たちのあれが始まる前まで、片桐は早めに帰そう決意をする長谷川の腕を、片桐が掴む。
「じゃあ癒やしをください」
 そのまま少し強めに引っ張られ、片桐の身体に囲われる。カシャ、と手に持っていたワイパーが床に落ちるのと同時に顎を掬われ、唇が重なった。
 体温の高い片桐の唇はいつも温かい。食まれ、長谷川の腔内に侵入してくる舌を受け入れ触れ合わせ吸うと、長谷川の腰に回った片桐の腕に力が入った。
 それによって、下半身が密着する。それを恥ずかしいと思うより先に片桐の舌がこちらの上顎を擽り、ぞわ、と背中に悦が走るのを感じ取る。
 好き勝手に長谷川を追い詰め、しかし置いてきぼりにはしない片桐の舌に必死に応える。触れ、離れて、また重なって。その連続が気持ち良い。
 片桐の左手が長谷川のベルトを緩めズボンと下着の間に入り込み尻臀を揉む。右手はTシャツの中に入り胸へと。
「……たっ、ぎり……」
 左の乳首を潰されり摘まれたり、爪で弾かれたり。尻臀を揉む左手は動きが緩やかで。
 種類の違う感触に脳みそが忙しなく把握しようと神経が敏感になっていく。
「風呂、」
「あとで」
「なら、せめてベッド……っ」
「だぁめ」
 耳朶を唇で軽く引っ張られた後、その下を痕が付かない程度に吸われる。敏感になり始めている肌はその感触もしっかりと拾い、粟立った。
 片桐のシャツを掴んで引き剥がそうとするが力で敵うはずもなく、下着とズボンを一緒に下ろされた。すう、と冷えた空気を感じた後、仙骨の上の方をトントンと叩かれた。
「ねえ直幸さん。ここ、濡れるようになってきてるって気付いてます?」
「……は、?」
 何を言っているのかと顔を見ると、眼鏡のレンズの向こうで綺麗な顔が目を細める。
「想像して」
 片桐の唇が長谷川の耳を塞ぐように近づけられる。
 そのまま、潜められた声が脳みそに直接届けられた。
「俺のが直幸さんの狭くて熱くて柔らかいここを割り開いて、腹ん中擦って」
 つ、と指が仙骨の中心を下から上に這う。同時に右手が胸から下腹部に触れた。
「奥突かれるの、もう気持ちいいでしょ」
「――! ちが、」
 長谷川の否定を無視して、片桐の親指が腹を押す。
「この奥」
 甘ったるい声が、脳みそに届く。
 その指と声の感触でまだ何もされていないのに、身体が記憶を思い出し、まるで中に入っているかのような感覚を起こしていく。
 太くて熱い片桐のものが、腹の裏側を擦る。全部おさめて触れる狭まった場所を突かれ、て。
 腹の奥を犯される感触を生々しく思い出し、足が震え始めた。
「入り口の浅いところカリ引っ掛けて揺さぶると感度上がって」
 左の指が浅く埋まり、指の腹が淵を撫でていく。
「……っ、ッ」
「前立腺潰すように突くとイっちゃって、まじ可愛い」
 じわりと身体の奥から溢れるものが何なのか、なんて。
 指が中に入り、ちゅく、と小さな水音をさせたことで理解して、身体中の毛穴が開いて羞恥が襲った。
「〜〜……っ」
 片桐の右腕が腰をしっかりとホールドしたため、下に沈むことも逃げることも出来ず指が内部を撫でる感触を受け続ける。
「……ァ、」
 指一本。
 ゆっくりと出入りをして、水分を広げていく。指の腹が壁の全周を隙間なく撫でていくのが判る。男の背中に両腕を回して縋り付き、首筋に顔を埋めて耐える羞恥。
 そうして近付けば、鼻腔に届く片桐の体臭と体温。それらに安心を覚えるようになったのは何時頃からだろうか。
「直幸さんの中に入りたい」
 身長差を活かして、片桐の唇が長谷川の頭にキスのように触れる。下半身の触れ合いとは真反対の感触にぎゅうと閉じていた瞼を上げた。
 顔を上げると、レンズの奥にある瞳と目が合う。笑んでいるのに熱があって、獲物を逃がさぬような獰猛さも潜んでいる。
「〜〜ンっぅ」
 指が増やされるとそれだけ自由度が高くなる。中で左右に広げられながら内壁を擦られる。指が動くのと共に粘着質な音がして、同時に濡れた感覚もあり、片桐の言う通りになっている自分の身体に羞恥を覚える。
 呼気が浅くなり、思考がぼんやりとしていく。
 性急ではなく、けれど焦らされているわけでもなく。丁寧にかつ、確実に長谷川の身体を拓いていく片桐に縋り付くことしか出来ない。
 これがベッドならばまだ少しは余裕もあって片桐の身体にこちらから触れることも出来るというのに。
 ただ片桐に与えられる悦を甘受する。

「ぁっ……は、ぁ、ッ」
「直幸さん、俺の首に両腕回してください」
「ぅ……?」
 指を抜かれ圧迫感から解放されて息をついたところにそんなことを言われ首を傾げる。疑問に思いながらも言われた通りに片桐の首に腕をまきつけ、自分の左腕を右手で握った。
「そのまま、」
 ぐい、と両腿が左右に広げられると同時に、足の裏が床から離れた。
「ひ――!?」
 腕に力をこめて、一瞬で長谷川の視線より下になった片桐の頭に縋りついたのは反射でしかない。
 身体が少し落とされたかと思うと、中心を一気に穿たれた。
「――〜〜ッぃ、! 、ふ、ッか、ァ……っ、っ」
 目の前が点滅し、呼吸が出来ない。吐いていいのか吸えばいいのか判らない数瞬。その後にやっと現実が見えてくる。
「かた、ぎり……っ、」
「足、絡めちゃうと楽ですよ」
 宙に浮く足を、片桐の胴体を挟むように力を込めると確かに安定はする。
 だが、
「これ……お、おち……」
「落ちませんって。俺が直幸さん落とすわけないでしよ」
 片桐の旋毛を見る機会はそれなりにあるが、こんな形では初めてで、落ちるのではないかという恐怖からそこを見る余裕も身体から力を抜く方法も判らない。
 片桐がゆっくりと長谷川の身体を揺さぶる。
 奥まで咥えこんでいるために、それだけで充分な刺激となる。
 ただ、それ以上に苦しい。
「かたぎ、……まっ……」
 言葉を発することも出来ず、全身に力を入れているために悦よりも苦しさが勝ってしまっているのが現実。
「苦しい?」
 片桐の言葉に小さく頷くと、それを見た片桐が少しだけ腰を引く。それだけで楽になり、息を吐いた。
「最初の頃よりは深く突っ込めるようになりましたけど、まだ全部は無理すね」
「……そんな、ことより、降ろして、くれ」
 やっと喋る余裕が出来たのでようやっと言いたかったことが言える。不安定さが怖い。
「けど直幸さん、めちゃくちゃ締め付けてきてますよ」
「それはっ、……怖いからだろ」
 身体を揺さぶられると全身に力が入る。
 息を呑むと片桐が指先で長谷川の肌を撫でた。
「なあ、片桐は、これ……たのしい、のか」
「一度やってみたかったんでやったんですが、直幸さんあんま気持ちよくなさそうだし、俺も直幸さんに触れねーし、ぶっちゃけあんまり」
 ひどい言い草だが、実際お互いにさほど動けるような体位でもないのも事実で。下手に身体を寄せると動けなくなりそうで長谷川から動くことも出来ない。
「俺もベッドのほうが……安心する」
 そう呟き、片桐の頭を抱き寄せると、腕の中に気配が一瞬強くなる。
 不思議に思う長谷川に対して、片桐は少しだけ腰を落とす。太ももを撫でられて、空気で降りることを催促されているのだと感じ取って足を地面につけた。
「……ん、」
 ずる、と中から片桐の熱が抜ける。その感触に小さく震えると、片桐が長谷川の腕をとった。
「直幸さんて無自覚に言うことがずるいですよね」
「……何のことだよ」
 片桐はそれに答えず、長谷川と共にベッドに転がる。
 こうして移動するのだから最初からここでしたらいいのにと思う。風呂についても抵抗はあるものの、少しずつ入らないことに慣らされていっている気がする。
 押し倒されて、上から見下されること。その景色に慣れた自分を自覚しながら唇を重ね交わりを深くしていく。粘膜同士の触れ合いを気持ちがいいと思うくらいにはこうしていて、馴染む体温を否定出来ない。
 片桐によって足された冷たいとろみが下腹部を浸し、身体の奥へと伝っていく。それを片桐の指が追いかけ窄まりに触れた。先程一度受け入れているそこは、指を簡単に飲み込み内壁を擦られることに敏感になっている。
 枕を手繰り寄せてそこに顔を埋める。視界を閉ざすと、上から降る片桐の強い視線に肌が焼かれそうな気がする。
「は、ぁ……」
 指で左右に割られ再び熱が入り込んでくる。半分ほど埋め込まれたところで、被膜がないことに気付いた。
「ゴムしろって」
「さっき一度挿れてんだからいいでしょ」
「そういう問題じゃない、だろ……っ」
 会話の合間に片桐は容赦なく中を穿ってくる。こうして引かない時と素直にスキンを着けてくれる時と、それは片桐の気分次第に思えて仕方がない。
 一ミリ以下の膜がないだけで、自分の中にある他人の存在がよりリアルに感じ取れてしまう。
 内側から融かされていくようで。拒絶したいのに出来ない苦しさが気持ちいい。そう感じる自分自身の感情すら悦に繋がるのだから、救われない。
 奥まで入り込んだ片桐は、しかし緩く身体を揺するだけで何時ものように動かない。
 性感帯を潰すように刺激されていて、筋肉が勝手に蠢き緩く刺激は生まれているが、それだけだ。理性が飛ぶような感覚にはならない。
「片桐……?」
「はい」
 動かないのか、と言いかけてそれでは強請っているようだと気がついて体温があがった。動いてほしくないわけではないが、それを自ら言うのは恥ずかしさしかないし、いやけどなんで動かないのか不思議ではあるし、この場合なんと問いかけるのが正解なのか考えてから口を開いた。
「何してるんだ」
「直幸さんに癒やされてます」
「――……」
 長谷川を両脚を自分の両腿の上に乗せて上から長谷川を見下ろす片桐は、真面目な顔をしてそんなことを言う。見られていることが恥ずかしくて腕で顔を覆うが、それは何時ものようにすぐに外されてしまった。
 こんなおっさんの顔を見たところで癒やしなんてないだろうに。
「直幸さんちょっと痩せました?」
「え、ほんとか?」
 肌に掌を滑らせながら片桐が言う。その言葉に少しだけテンションが上がった。
「だめですよ、このもちもちは俺の癒やしのためにも維持してもらわないと」
 ふにふにと腹の贅肉を揉まれて、上がったテンションが速攻で下がる。
「腹を、揉むなっ」
 先程とは逆に片桐の腕を払い除けると、男が楽しそうに肩を震わせた。多分こんなやり取りが、つまりは癒やされている、ということなのだろう。身体を繋げながらするようなやり取りではないけれど。
「やる気ないなら抜けよ……」
「これもコミュニケーションでしょ。最近忙しくて久々だから、終わらせたくなくて」
「っ」
 少しだけ強く奥を穿れて、息を詰める。ぐちゅ、と水音が下半身から響いてその音で羞恥が蘇ってきた。
 片桐は、長谷川の背中に腕を回してこちらの上半身起こす。向き合うようにされると交わりが深くなった。
「最初はこれも苦しそうでしたけど、今はもう余裕でしょ」
「……そういうことを言うな」
 確かに事実としてそうだが、言われると恥ずかしい。
「さっきちょっと触ったけど、これより奥もあるんで」
「……奥」
「身体の構造的、ここが行き止まりなわけないでしょ。ついでに俺のもそんな短くないし」
「自慢かてめえ」
 半目を向けるが、自慢というよりは事実だということは見て触ったこともあるから知ってはいるけれど、言われると非常に腹が立つ。さっきから感情が忙しい。
「今度、ここに入らせてくださいね」
 下腹部を親指で押され、撫でられる。ここというのが具体的にどこを指すのか長谷川には知識がないため判らないが、先程の苦しさを覚えているが故に首を振る。本気で苦しかったのだ。もう一度が嫌だと思うくらいに。
「大丈夫ですよ直幸さん才能あるし」
「何のさいの、」
「てことで、今日は予行練習」
 優しく口付けを落としたその唇で長谷川の言葉を遮り、整った顔が笑った。
 それに顔を引き攣らせる長谷川を再びベッドに横たわらせた片桐は、長谷川の脚を持ち身体を密着させた。
「かた、ぎりっ」
「力抜いてて」
 何度か中を擦られる、その慣れた感触と沸き立つ悦。ぐ、と身体の奥に圧迫感。
「っ、ぁ、ぐ――……!」
「痛い?」
 触れて離れる。抽挿を繰り返されると苦しさは少ないが、それでも違和感が強い。肌同士が触れ合うほどの密着。じわりと浮かぶ汗が肌の上を滑っていく。
 片桐が、長谷川の少しだけ兆している陰茎を指で包み擦る。
「ん、ん、あ、」
 皮を剥かれて先端をくるくると刺激されると、それ以上硬くならなくとも気持ちが良い。そうされながら奥を突かれ、身体が学習していく。今までと同じように。
 片桐に抱かれて、男を受け入れて快楽を拾うことを憶えていった。痛いのではなくて気持ちが良いのだと、教えこまれていく。
 その悦を飲み込み、身体を開けば片桐が喜ぶのだとすでに知っているから拒めない。
 瞼を開けて目の前の男を見ると、少しだけ眉根を寄せた姿。
「……っ」
 心臓が跳ねた理由が判るからこそ目を逸らすが、片桐は長谷川の機微を感じ取ったのか、視線を合わせてきてふと笑った。
「ぅ……、」
 奥から離れ、慣れた気持ちが良いところを片桐の陰茎が擦る。水音を立てながら刺激を送られて背中が反った。
 片桐の視線は何時でも強くて、肌が焦げるのではないかと思う。じっと長谷部の乱れる姿を見下ろしてくるのだ。
 顔を逸らして腕で隠しても、開かれ緩く拘束されるようにシーツに縫い付けられる。隠すことを許されぬまま、肌の上を片桐の舌と指が撫でていく。
 唇を結んでも苦しくてすぐに綻び声が出てしまう。その自分の声を聞きたくなくてまた閉じるのに、やはりすぐに綻んでしまって喉から声が漏れてしまう。
「ひ、ぁ……っ、ッ」
 身体の奥から湧き上がってくる悦の塊。ぞくりと肌が粟立った。触れ合っている片桐の指を握ると同じ力で握り返され、その体温に導かれるように身体の中で悦を弾けさせた。
「は――」
 片桐の陰茎をきゅうと締め付けると、目の前の顔が歪む。狭くなった道を割るように抽挿を繰り返され、達する内部を刺激され続けた。
「あぁ……っ、たぎ、ぃ……っ」
 甘く達し続けると前後も上下も判らなくなって片桐との繋がりを縁にするしかなくなる。
 口の端から流れた唾液を片桐の舌が拭い、そのまま唇が重なった。吐息を噛むように舌を絡め、吸われて咥内を好きにされるまま身体を揺さぶられる。
「ふぁ、……ぅ、ぁ」
 ずる、と熱が引き抜かれ圧迫感が無くなったあと腹の上に温かい粘膜がかかった。その感触にぼくりと開いたままだった穴がひくつくのを感じていたたまれなくなる。片桐に気付かれていないことを願うばかりだ。
 は、と呼吸を繰り返す長谷川が同じようにしている片桐の背中に腕を回せば、汗で湿った身体が落ちてきた。ぺたりとくっつく身体を深く息を吐いた。
 こめかみや顔に口付けを落とされる優しい感触を受け止める。お返しとばかりに長谷川は片桐の背中や首を指で擽るように愛撫していく。
 耳の裏を指で軽く引っ掻くと片桐の身体が少しだけ震えた。
「もう一回、いい?」
 片桐の腕が長谷川の腰に巻き付き、ぐるりと上下が逆になる。今迄と反対に片桐を見下ろす形になったあと、片桐が長谷川の首筋に軽く歯を立て、そのままひそりと言葉を口にする。
「寝ないと……疲れてんだろ」
「けどまだ足んねえんすよ」
 ね、と言いながら下半身を密着させてくる片桐は、確かに出して、お互いの肌の間に証拠も残っているというのにまだ硬いままだ。
「優しくするんで」
「……いつも別に酷くはないだろ」
 恥ずかしいことはされるし、長谷川が受け入れ難いこともされるが、酷いという感覚はない。痛みや辛さという意味で。本気で長谷川が嫌がる場合は引いてくれている。強引ではあるものの、自分本位ではないし、きちんと長谷川を気持ち良くしてくれている。
「直幸さんって、ほんとずりーですよね」
「だから何がだよ」
 意味が判らないと言葉を返すがやはり答えは貰えずに、指が臀部を捏ねた。
「癒してくださいよ」
 綺麗な顔で請われると拒絶出来なくて。
 受け入れるしかない自分にどうしようもないと思いながら、口付けを落とした。