2022年4月25日
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朝起きたら、腕の中にいたのは梶の知る神谷だった。
皺があって、肌の水分だって少なくなっていて。けれど梶の指に馴染む体温と気配。
理屈も何もかもが判らない、非現実な現象は終わってみれば半日ほどのことだったことになる。どうしてあんなことが起こったのかさっぱり判らないが、神谷が戻ってきたのだからそれでいい。
腕の中にある存在の肌に触れたり髪を梳いたりとしていたら、神谷が目を開ける。
視線を合わせて笑み、
「キスは浮気から除外してやるよ」
「は!? どういうことだ」
言われた言葉に残っていた眠気が一気に吹き飛んだ。
しかし神谷はそれに答えず、梶の唇にキスを落とした。
――青年と同じ、三秒間。
「さ、今日も仕事だ」
「おい」
「今日こそは夕飯外に食いにいけるといいよな」
「おいこら神谷」
「夕方までにどこ行きたいかメールしとくわ」
「かーみーやー」
「お守りの効果低かったけど、ちゃんとお前と会えたから効果自体はあったってことだよな」
「……」
目を細めて笑うその表情は、青年と全く同じで。
それを見たらそれ以上何も言えなくなって、代わりにため息を吐き出した。