片桐の視線は、強い。逸らさずじっとこちらを見られると、何もやましいことがなくとも尻込みしてしまう。そうして戸惑う長谷川を見て、目元を緩ませこちらが更に戸惑う言葉を放つのが常だ。
今も、片桐の熱に貫かれ揺さぶられる長谷川を、上から見下ろす片桐の視線に晒されている。膝裏を押さえられているため、身を捩って逃げることすら許されない。
「……っ、ひ、ぁ」
ゆるゆると内部を擦っていくもの。勝手に開く喉を制御出来ず、こぼれ落ちる吐息は音を成す。
瞼を閉じても感じる片桐からの視線。それを受け止めきれずにゆるく首を振ると、片桐が動きを止めた。
「どこか痛いですか?」
「ちが……」
動きを止められると、それはそれで内部にある片桐の陰茎を意識してしまう蠕動からなる誘いは、片桐を喜ばせるだけだと知っているが自分の意志ではどうにも出来ない。
「欲しい?」
「――……っ」
意地の悪い質問をしながら、陰茎を引いていく。それを締め付けてしまう自分はどうしようもない。
「ははっ、えっろ」
出口付近をゆるゆると擦りながらの台詞。登ってくる気持ちよさに腰を捻ろうとするが、それは許されなかった。
「かたぎ、り……っ」
見下ろす視線は、笑み。けれど同時に長谷川を逃がすつもりなど微塵もない獰猛さを持っている。上から見下されると、余計にそれが判る。
腕を伸ばし、両手で片桐の視界を塞いだ。
「何すか、かわいいことして」
「あッ――」
片桐は無理矢理長谷川の手をどかさず、そのまま腰を進めてきた。長谷川の弱いところを的確に、容赦なく擦っていく。
「は、んん……っ、ぁ、あ」
「声だけってのも色々と想像出来ていいですね」
けど、と片桐の目元を押さえる長谷川の掌に触れた。
「ちゃんと押さえねえと、見ちゃいますよ」
「……――」
掌の隙間から、片桐と視線が合う。
片目だけだからこそその強さをより感じられる、ということに今気がついた。
全てを暴こうとする真っ直ぐな瞳に、身体の奥がじわりと緊張する。
「中動いてんの、まじでえろい」
「ひっぁ――!」
強く押し込まれ身体を丸めると、片桐との距離が近くなった。指の間からこちらに届く、強い、視線。
「直幸さん、このままだとキス出来ませんね」
片桐のそんな言葉に、彼の目元を押さえる指に少しだけ力を込めて抗議するが、隙間から見える瞳は笑みを崩さない。
「意地の悪い」
「けど直幸さんだってキスしたいでしょ」
抗議は、しかし一欠片も片桐に罪悪感を齎さない。しかも片桐が言うことを否定出来ないのだから、どうしようもない。
無理矢理腕をどかすことも出来るだろうに、そうしない片桐の意地悪さに一度唇を噛むが、結局のところ片桐の言葉を否定出来ない自分の負けなのだ。身体の奥に片桐を受け入れ、その存在に脳を溶かされている現在ならば、その否定も単なる睦言でしかない。
ああくそ、と悪態を付く内心を捨て置き、指を目元からこめかみに滑らせる。そのまま後頭部を滑らせるようにして片桐の背に回し、再度力を込めた。
更に近くなる焦げ付くような視線から逃げるように瞼を閉じながら、ゼロ距離になった唇を重ね合わせた。
瞳に射抜かれる