仕事が増えることはあっても、減ることはない職業。それでも、休みは権利として持っているわけで。
基本月から金の勤め人と同じ時間帯勤務になっている矢島と、捜査中はほぼ休みなし、代わりに片付けば多少休みが多めになる斉藤では、結局のところ土日に休みが被りやすい。
平和な所轄で日々勤務している矢島とは違い、都のトップ――日本のトップの位置付けである場所で勤務している斉藤では、立場と役職の違いを引いても疲労とストレスの度合いは桁違いだ。今思えば、丸ノ内の生安課課長時代の斉藤は随分と伸び伸びと仕事をしていたのだろうということも、流石に気づいている。
勤務中はずっと脳みそ使っているんだから、休みの日は怠惰に過ごせと思っているのに、斉藤は出掛けたがったりそうでなければ押し倒してきたりする。前者はまだしも後者は勘弁願いたいというのに、七割の確率で負けて斉藤に押し倒されている現状。
真っ昼間からなんて、どれだけ爛れているのか――そう言いたいのに、唇から力を抜いたらあられのない声が出ると判っているため、言えやしない。
ぐしゃぐしゃになったシーツを握りしめ、額を擦りつけて背後から突かれる感触に耐える。
反転した視界の中、勃ちあがった自分のものが揺れるのを見ていられなくて目を閉じると、ちょうど強く内壁を擦られ、奥に触れられてびくりと身体が震えた。
「――っ、ぅあっ」
そのタイミングで肩甲骨を強く噛まれ、喉から悲鳴が転がり出てくる。やめろと何度言ってもやめない悪癖のせいで、噛まれると内壁を締めてしまい内部にある斉藤の陰茎を強く感じるのが癖になってしまった。その強さが好きなのか、別の理由があるのか、必ずこうして斉藤も噛んでくるという悪循環。
「は、……あ、ぁ」
緩急を付けて擦られる内壁。その原因を締め付け、迎え入れもっとと誘う自己の反射。気持ちがいいことは否定など出来なくて、甘受していく。
重い身体が矢島の上に伸し掛かり、さらに斉藤の腕が二人の身体を密着させるために回されていると矢島の逃げ場はどこにもない。拘束状態にあるという現実にぞくりと肌が震えた。
「――何を考えた?」
「そこで喋んな……っ」
耳の後ろに唇を付けて斉藤が言葉を発すると、先程とは別の種類で肌が粟立つ。首を振っても今の矢島に逃げ場所などどこにもなく、何の意味もなさなかった。
足が絡み、腰を強く押し付けられると、奥の狭まったところを先端が抉ることになる。
「そこ、ァ、や、め……っ」
矢島の陰茎を包んでいた指が離れ、胸に触れる。親指で潰され、弾かれながら身体の内部を揺さぶられると目の奥がチカチカとして、声を抑えることが困難になる。嫌だと口では言うのに、腰はさらに奥に触れてほしいとばかりに背後に押し付けている矛盾に気づいているけれど、溶けた理性ではそれを正すことなど出来やしない。
斉藤の指が乳首を強く潰す。その痛さに身体を揺らすと、今度は指の腹で優しく撫でられた。飴と鞭のように繰り返され、同時に内部の気持ちのいいところを擦られると、どこで感じているのか頭が混乱する。
精を出さずに、軽く達すると褒美とばかりに奥を突かれ、それにまた感じて。斉藤の片手が下腹部を撫でる感触にすら、感じて。
「は……あ、……んん」
更に皺の寄ったシーツを視界に、後で洗濯しないと、と現実逃避のように考えた。汚れたままこの部屋専属のメイドさんに洗濯させるなど、会ったことはないけれど羞恥と申し訳無さで死にたくなる。斉藤が矢島の中を汚し、溢れた体液が股の間を伝ってそのシーツに吸い込まれていく感触。
身体の上から斉藤が退くと軽くなる。そのことに少しだけ物足りなさを感じるのは、あまりにも密着していた時間が長く、一人分の体温だと寒く感じるからだ。
起き上がらずに身体を反転させると、すぐ真上にいる斉藤と視線が合い惹かれるように唇が重なる。そうすればまた、矢島の上には重い身体が重なることになる。
結局のところ、斉藤を拒絶しきれず矢島が受け入れるから、昼間からこんな怠惰な生活になるのだ。判ってはいるものの一度登った悦は簡単に発散など出来ないと言い訳をして、斉藤の体温と肌の感触を受け入れながら、柔らかな髪の毛に指を通した。
思うままに暮らして満ち足りていること